禊ぎ♪さんのマイページ

ネタバレ
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5
これが見たかったという作品をしっかり魅せられてしまった。

響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~はアニメ2期の続編なので、アニメ1~2期を未視聴の方には勧められない。
 まさか「響け!ユーフォニアム」という名作を見ていないというオタクは勿論少数ではあろうが。
丁度昨年に上映されたリズと青い鳥とは、時系列が本作品と概ね同じで違う視点から描かれている作品なので、後述はするが視聴していた方がいい部分はある。
 しかし、本作品を視聴した後に見るリズと青い鳥も面白いだろうと筆者は考えるので、本作品の後でも未視聴の方は見ることを勧める。
 ただし、リズと青い鳥はキャッキャウフフな百合作品ではない、響け!ユーフォニアムの派生作品と充分言えるドラマ作品であるため、
 きらら作品の百合が好き~!!!とかいう脳死している人には合わないだろう。
 ちなみに、筆者はきらら作品の百合が好き~!!!ではあるが脳死で見ているわけではない。
本作品は、吹奏楽という競争と協調の世界でギスギスした人間関係のドラマから為る青春物語である。

各登場人物の感情が表情や視線、空気、天気から仔細に伝わってくる丁寧な描写から、まるで自分が登場人物の一員になったかのような気持ちになる。
 そこから、人間関係や楽器の演奏による成功失敗体験、自分のトラウマを克服しようとする登場人物達。
書籍ではとても味わえないような青春や感動が押し寄せてくる。「アニメという物はすごいなぁ」と実感せざるを得ない作品である。
 感動という言葉だけでは表現しきれないそれほど心に訴えかけてくる作品である。「こういうアニメをいくらでも見たい。」


ここからはネタバレになる内容を振り返りながら、つらつらと思ったことを書いていく。



始まってすぐに、久美子の幼馴染の秀一から久美子に告白されるシーンから始まる。
「はぁ!?おいおいそれはねえだろ、たまこラブストーリーかよ!?」正直思ってしまった、すまんかった。
告白の返事やらすっ飛ばして、2年生になり、新入生の勧誘をする。
 デカリボン先輩が「これが今の北宇治のメンバーです、勧誘頑張りましょう」と言った時に麗奈とみぞれちゃん以外上手い子いなくね?と思って、すごい1年生が来るのかなと期待した。
 実際の所1年生がソロ演奏する場面というのはなくて、いたかどうかは定かではない。おそらく麗奈級はいなかった。
「先輩達がいなくなって寂しいね」の後の久美子のユーフォの演奏はまじでグサっと来た、視線というか目力と演奏での寂寥感やばすぎ。
そこで本作品の久美子に次いでの2人目の主人公、久石奏が登場する。初登場時は、未経験、初心者という設定で久美子に近づく。
 これが彼女のスタンスである。一歩引いた神の目線から傍観し、人間関係を上手く立ち回るための防衛策。あすか先輩に言葉でぶん殴られる前の久美子と似ている。
そして、1年生の勧誘編も終わる。本作品は久美子が主人公であり、メインで絡んでくる1年生はほぼ低音の子のみである。実際は各パートに新入生がいるはず(?)。
 前述の久石奏、ロリ声久野の鈴木さつき(さっちゃん)、すぐ帰りたがるコミュ障の鈴木美玲(みーちゃん)、サファイア大好き月永求(もとむくん)が主にメインである。
 しかし、もとむ君の話はほとんどなくて、さっちゃんみーちゃんの話は完全に奏ちゃんというキャラクターの前座であったのが、
 正直よろしくないかなとは思ってしまうが尺の関係上しょうがないんだろう。
新入生担当係となった久美子が話のメインとして取り掛かるのはみーちゃんの世話である。猫の世話みたいな字面・・・。
 楽器は上手いが人間関係がダメというよくいるオタク。俺もそういうタイプ。ちょっと見下してしまうとあまり絡みたくもないよな…と思ってしまう。すごいわかる。
 さっちゃんが先輩と仲良くなってるのが羨ましいのもすごいわかる。どうすればいいのかわかんないのもわかる。
 解決法としてはオタク特有のこじらせを認めて皆と仲良くなるのが正解だよな。わかる。
 これでみーちゃんの話は終わりである。完全に奏ちゃんが久美子と同じ立ち回りをするやつだって話の前座である。
俺も奏ちゃんに耳元で罵倒を囁かれたい。
 原作にはちゃんとみーちゃんとかさっちゃんとかもとむ君の話はあるんだろうな…。ちなみに、練習してる所をちゃんと聞いてると葉月ちゃんとさっちゃんのチューバは音外してる。

ここでプールいったり夏祭りいったりと小休止が挟まる。
おっぱいめっちゃでかい子いないよね。でも久美子の足がムチムチだったりしてとってもえっち。京アニらしい自然なエロさが出てる。
 ユーフォのいい所はアニメなんだけどリアリティーというか自然さがすごい。後で書くけど久美子の声優の黒沢ともよの演技力やばいのも相まってやばい。
夏祭りの久美子と秀一まじでthe最高という感じの距離感のイチャイチャ。死ね。好き。死ね。
 キス拒んだシーン最高。好き。愛してる。久美子ラブストーリー編も見せて。やっぱ無理。
そして麗奈との将来の話。久美子は姉の件もあるせいか親が心配してくるの可哀想である。久美子は麗奈と音大行くのかな?それともどうなるのかな。こういう伏線で3年生編もすごい楽しみだ…。
麗奈とのイチャイチャも所々にちょこちょこ入ってて嬉しかった。

ここからは本作品の一番の見どころと言える久石奏の話である。
久石奏は中学時代に先輩からレギュラーを勝ち取り、必死に練習したが学校としての結果が出ず、叩かれてしまうという過去を体験している。
 この体験から一歩引いた立ち位置から人間関係を築こうとしていると考えると、久美子とはやはりまた違うんだなと感じた。
 余裕を持っているように見えることが多かった奏だが、こうしてみるとみーちゃんの件でも彼女は必死に頑張っていたのではないかと想像してしまう。
 所々で久美子に甘えていたり煽っていたりするのがとても愛らしくみえてしまう。奏ちゃん好き。愛してる。
オーディション前後の話、夏紀先輩が奏に教えを請うというシーンで、
 オーディション当日に言った「1年生より下手な3年生はそれだけで罪である」という前提、過去の体験を元に先輩としてのプライドがないのかと奏はイライラしている。
 過去に自分が必死に努力した結果がまた悪い方向へと進むかもしれないという予想も心にあったのだと思う。
 その結果オーディション当日、彼女は色々とめんどくさくなってしまい適当な演奏をしたのである。
夏紀先輩が怒るのもわかるが、彼女の気持ちを全く分かっていない怒りである。もちろん奏が夏紀先輩を嫌っていたし、自身の過去を話すこともなかったから当然ではあるが。
 夏紀先輩の怒りは勿論正統であり、上手い人が下手な真似をするというのはバカにされているとしか思えない。
 それ故に夏紀先輩の説得では、奏は絶対に心が動かされないのである。
逃げた奏を久美子が追いかけ、奏の過去に何かがあったということを聞くわけである。夏紀先輩ではこのことを聞けない。
 「北宇治は結果が出たから、麗奈は叩かれなかった」と奏は言う。
 勿論滝先生が来る前までの北宇治ならそういう空気感だったであろう。回想にもあったが1年前のかおり先輩大好きのデカリボン先輩が麗奈のことを認めているわけである。
 久美子はこのことを知っているから、そんなことはないと言いきれるが、奏にはそれが伝わらないのも事実である。
奏はここで「そんなに頑張っても無駄じゃないですか」と言い、久美子は奏と過去の自分を重ねて、
 
 「頑張っても報われないことなんていっぱいある」 
 「頑張れば“何か”があるって信じてる、それは絶対無駄じゃない」

 と言うのである。
この“何か”という物が怪物なんですよね、他作品の俺の青春ラブコメは間違っているでも似た表現がありますが、何かという漠然とした物に感動を受ける。
 この作品自体がまるで、自分の青春になってしまうという表現で本当にズルいと思う。

「頑張る」ということは誰しも程度はあれ、生きていれば体験することなんですよね。

そして畳みかけるように、久美子は「奏ちゃんは、頑張っているよ。」と言うわけです。
 奏に言っているのではなく、まるで、自分が報われたような気になってしまい、本当にズルイな。
 実際の話では勿論奏に言っています。
 奏ちゃんもここでようやく久美子のおかげで過去の自分が報われたんです。
これで久石奏ちゃんの話は終わり。
 本作品では、ここが一番メインであり、何を表現したかったのかを自分なりの解釈で書いてきました。

その後、久美子の周りの人間関係はよくなっていき新入生担当としての役割をほぼ終えるわけですね。
そのタイミングと同時にもう1人の新入生担当の先輩が部員ではなく、マネージャーとして支えていく宣言をするんですね。
よく考えられているなぁと思う。
もう一つネックであった秀一との関係も合宿でコンクールや将来の為に集中する!ということで解消されるわけです。

久美子にとって何の憂いもなく臨んだコンクール。当日明日香先輩も来てポテンシャルは抜群。
 久美子視点での演奏は完璧であったわけです。
 これはコンクール演奏中の視点や作画をしっかり見ていると感じると思います。
コンクール結果は、金賞ではあるが全国へはいけないという結果に。
 この結果となったのは、リズと青い鳥が課題曲だったからなんですよね。
 こう思うのは、昨年上映されたリズと青い鳥を見るとこういう結論に至ります。
 また、この曲自体難しい曲だとチラッと本作品でももとむ君が話しています。
その他にも要因はあったのかもしれません。デカリボン先輩やもとむ君といった地雷原がこの吹奏楽部には他にもいっぱいあるからです。
 しかしこれは久美子視点からではわからない話で、本作品を久美子視点で見ていた我々には想像することしかできないんですね。
バスに乗り込み、奏ちゃんが悔し涙をするわけです、報われなかったと…。久美子がいるからこその悔し涙なんですよね。尊い。

エピローグ、3年生になった久美子は部長に…で終わるわけです。


ああ~、3年生編楽しみすぎるーーーーーー!!!!!!!もーーーー耐えられないよ
とっても心動かされるいい作品でした!!!!!!退屈なシーンが一つとしてないのが素晴らしいんですよね
場面一つ一つにメッセージ性が感じられるし、ちょっかいの出しあいや女の子同士のイチャイチャ。最高。


ここからは声優の話をしていこうと思います。
主人公の久美子役の黒沢ともよさん。
 アニメ1期からずっとこの声すごいと思っていましたが、本当にすごい。
久美子の声って実際にいそうなリアリティーのある女子高生の声なんですよね。
 それでいて棒読み感が全くなくて、しかも性格や感情表現も声からわかる。すごい!
ほんと距離感近い時の演技だったり、秀一とイチャイチャしたりする時の声とか感情的なシーンとかほんと演技力すごいなと思った。
ちょっとwikiで調べたら、もともと子役、役者から声優になってるんですね。納得という感じ。俺より歳下、納得できない。


第2の主人公の久石奏役は雨宮天さん。
 個人的にはあまりあっていないかなぁという印象を受けています。
 二面性のある性格をしていますよという声って面ではあっているけど、なんか違うなってのも思います。
ほんとここだけ自分の中でしっくりこなくて、少ないダメ出し点かなぁと思ってる。

その他のキャラの声優に関しては特筆すべき点はないかなという感じ


総評として、とてもいい作品でした。
 原作から尺を削られであろう部分がすごい気になるので、原作をポチろうと思います。
 こういった登場人物の感情が丁寧に描かれている作品には、心に訴えかけてくる“何か”がありますよね。
また、こういった作品が見られることを楽しみに待っています。
 「頑張っても報われないことなんていっぱいある」 
 「頑張れば“何か”があるって信じてる、それは絶対無駄じゃない」
この気持ちで僕も頑張っていきたいと思うんですけど、僕は頑張れません。誰か俺の代わりに働いて?

2019.04.23 03:45


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2019.04.06 19:07